■日本山岳耐久レース

〜2007年10月20日/21日(晴)〜

技術度:★★★★★
体力度 ★★★★★

五日市中学校−奥多摩全山ー五日市会館(計71.5キロ)

【アクセス】
JR武蔵五日市駅より徒歩5分で五日市中学校。

【夜を徹して走り続ける日本山岳耐久レース(24時間以内)に参加しました】
夏のある日、行きつけのスポーツ店で、「結構山登りもされていて、体力もあるならハセツネに参加してみてはどうですか?」と言われた。ハセツネとは長谷川恒男CUPの略称。長谷川さんは都山連の有名なクライマーで、ヒマラヤ登山の練習として、不眠不休で歩き続けるトレーニングを行っていたらしく、それにちなんで、長谷川恒男CUPというらしい。今は巷では有名なレースとなっており、今年も定員いっぱいの2000人以上が参加しました。

山を登る方なら分かってもらえると思うのですが、山道の71.5キロは平地アスファルトと違い、スピードが出ず、相当なパワーを要します。参加者はほとんどマラソン等を普段行っているランナーが多く、彼らにとってはこの普段と違う環境(山の夜は冷え込みます)が鍵となり、登山家にとってはスピードが鍵となるレースです。

このレースの面白いところは、色々な『戦略』が必要なところです。当日の天候次第で、ウェアも防寒具も変える必要がありますし、暗黒の山道を照らすライトは、ハンドライトを使うのか?ヘッドライトを使うのか?電池の持ちが良いLEDか?はたまた明るさを確保しスピードアップを図るためにハロゲンライトを使うのか?食料で言うと、水を何リットル持つのか?スポーツドリンクは何を選び、どれくらい希釈して使うのか?どこで何を食べて、エネルギー切れを防ぐのか?そして大事なレースペースをどう設定していくか?等等、色々とあるのが楽しいところです。

但し、キケンもつきまといます。今回は天気に恵まれましたが、完走率は75%程度。天候悪化があれば50%程度でしょう。また、暗黒の山を走るのですが、疲れた体で痩せた尾根道を歩くと転落の恐れもあります。今年は転落されお亡くなりになった方もいますので、体調管理は必要不可欠です。それらのキケンをかいくぐり、山から下り、街に帰ってきたときには、日常生活ではなかなか味わえない感動が全身を震わすことでしょう。

【〜スタートまで】

朝、6時頃起床し車で武蔵五日市駅まで向かう。

電車のほうがいいかなとも思ったけど、着替え等ができる体育館は恐らく人でごった返すだろうし、私は走友会など団体に属していないので、みんな楽しそうに談笑している脇で1人でいるのは精神的によくないだろうと考え、車を私のベースとできるよう考えました。

武蔵五日市前の駐車場は8:30には早くも満車となっていました。10:00からエントリー開始。その後は駅近くの飲食店でうどんを食べたが、緊張でまともに喉を通らなかった。でも、今食べておかないと長丁場を耐え切ることができないので無理やりおなかを満たしました。


スタートは午後1時。30分前から開会式があります。

あまり聞いていると緊張してしまうので、スタート前15分に会場に入りました。


 

【スタート→第1CP(浅間峠22.66km)スタートから4:55:11】

スタートから、とにかく激しい渋滞が続く。

特に、アスファルト道から山道に入るところは立ち止まって自分の番にならないと前に進めない状況。但し、このレースは長丁場であり、自分はそんなにトレーニングを積んだほうではないので、ここは、この渋滞を楽しみつつ、できるだけ体力を温存する戦略をとった。

@無理に動き回って追い抜きをしないこと。
A少し前が開いてもすぐ詰まるので必要以上にスピードを出さず心拍数を上げない。
B下りも静かに足をおいて膝に衝撃を極力与えない。

の3点に気をつけながら兎に角、第一CPまでは自重していく作戦だ。


ここは、入山峠(7キロ地点)。試走の時に撮影したものです。

人一人登れる階段があり、ここは最悪の渋滞ポイント。500メートルくらい人が連なってここの通過を待っている状態でした。


ちなみに、私がザックに背負っていた携帯食料はこんな感じです。

上の3つがべスパ。これは不味いが効果は絶大らしい。そして中ほど右がパワーバー。おなかが減ったときに食べます。しかし、食べにくいし今回はおなかがあまり減らなかったのでなんと一つしか食べなかった。
中ほど左は水に溶かすスポーツドリンクの粉。これも中間地点にただ一つある給水ポイントで水でなくポカリを補給してしまったので半分は使わず。
下の左にあるのは、アスリートソルト。痙攣予防で、これはヒマなときに時々食べてました。しょっぱいですが、その味覚を感じた時は、「まだ生きている!」と実感しました。そして下にいっぱいあるのは、パワージェル。5つ程レース中に食べました。

【第1CP(浅間峠22.66km)→第2CP月夜見第2駐車場(42.09km)スタートから9:48:33】

浅間峠についたころは、日が落ち、もう真っ暗。約5時間もかかってしまい、当初予定よりも1時間程遅れてしまっている。CPで仮設トイレに行きましたが、トイレでも渋滞。。。10分くらいロスしてしまう。
テントでは、選手が休憩をとっていたが、そんなに疲れもないので、そのまま進む。ここからは三頭山にかけて激しく登っていく。登山出身選手として、ここは踏ん張りたいところだ。
登山道の脇には、ランナーが疲労から寝ていたり、動かなくなった足を入念にストレッチしている姿が散見された。まるで、地獄絵図である。これをみると私も思いっきり攻めることができなくなってしまう。。。
三頭山の避難小屋でウインドブレーカーを着る。奥多摩の天気予報は最低気温が9℃であったが、山の中だし恐らく3℃くらいに迄冷え込んでいたのではないだろうか?
暗黒な闇をライトで照らし、感覚が研ぎ澄まされ、これまでにない集中力で前を急ぐ。

【第2CP月夜見第2駐車場(42.09km)→第3CP長尾平(58km)スタートから14:03:29】

ここまでくれば、完走が見えてくる。後、厳しい登りは御前山手前くらいだし、三頭山の登りに比べれば大したことはない。ただ、長時間に渡る走りで、足元は大丈夫だが、頭はフラフラとたまにする。恐らくエネルギー切れだろう。しかし、ちょっと腹の調子も良くなかったので、下手に食べないこととした。

この区間はあまり何も考えず、淡々と歩を進めることに専念した。前の選手のライトを追って走り、かわすとマイペースで前との距離を詰め、またかわす。50キロ後半くらいになるとさすがに自重したペースでも疲れが出てきた。

(注)写真は、第3CP後の日の出山より。この風景を見ると、今まで張り詰めたものが胸を震わすような感覚を覚えます。星空とこの夜景は疲れた体を癒してくれます。


【長尾平(58km)→五日市会館(71.5km)スタートから16:33:14】

第3CPからは、日の出山まで登った後は、基本的には下り。日の出山から見る東京の夜景はお天気にも恵まれて美しく、無事ここまでこれたことにほっとしたのか、胸からこみ上げてくるものがあった。

しかし、ここで精神的なゴールを迎えてしまったのか、下りがスピードが出ない。足が思うようなスピードで前に出ず、脚は十分に疲労しているのだと気づく。

ここまで、ずっと順位を上げていったが、最後の10キロ弱は後続にガンガン抜かされていく展開に。パフォーマンスが落ちた体をくやしく思いながら、それでも完走できそうだという期待を感じ、涙が自然に数滴落ちた。

そして、朝5時半。16時間33分にも及ぶ私のレースは終了しました。

【その他写真】

左:スタート直後

右:浅間峠第1CP



(総評)
16時間半かかってゴールしましたが、トップ選手は8時間(トップ群は海保とか自衛隊とか、生業としている人達です)。約倍の時間をかけてのゴールでしたが、特にどこを故障することもなく、完走できたのは、昨年登山で鍛えたからだと思う。これからは忙しいけど時間を上手く使い、トレーニングを積み、またこのレースに参加してみたい。どこまでできるかわからないけど、頑張れば、来年、13時間台でゴールすることも可能な気がしている。自分の可能性を試してみたい。

2008年は、富士登山競走・ハコネ50K・北丹沢耐久・日本山岳耐久レース等、過酷なレースの全完走が目標です。

 

【山行記録一覧】

 


TOP | DIVING | CLIMBING| OTHERS |
 
Copyright (C) 2006 SEAS & MOUNTAINS All Rights Reserved.